高速バスの申し子

僕のとなりは空席でした。窓際があいていたので、窓際につめて通路を挟んで別の席になった後輩をこちらに呼ぼうかと思いましたが、後輩が気を使ってくれて、僕をゆったり座らせてくれました。ありがとう。と思った途端!前の窓際に座っていた人が怒涛のごとく寝る準備を始めました。この方、乗車直後から異彩を放っていたので只者ではないと思っていましたが、寝枕やら毛布やら用意のいいこと。そして後ろに誰もいないとみるや容赦無く席を倒した。このおばちゃん。。自分しか見えてない。そんなおばちゃんにびっくりしている間も、バスは進んでいたのですが、次はとなりの後輩の様子がおかしい。どうしたかと思い聞くと、足元から異常な暖房が出て熱いと言うこと。そんなわけで僕が窓際に移動し、彼が僕の座っていた席に着ました。となると僕はおばちゃんの後ろになるわけですが、それが案外大丈夫だった。というのもおばちゃんは豪快に寝転がっているので、足は前に出ている。だから僕も彼女の椅子の下に足を思いっきり伸ばしても彼女に当たらないと分かったから。しかも後ろに座っている方がやさしいことに「私の後ろにも誰もいないから(後ろはトイレでとなりは空席)思いっきり倒してるし、お兄ちゃんらもたおしていいよ」とやさしく声をかけてくれました。人のやさしさにふれるって幸せです。ありがとう、おばちゃん。