「裁判長!ここは4年でどうすか」

裁判長!ここは懲役4年でどうすか (文春文庫)

裁判長!ここは懲役4年でどうすか (文春文庫)

裁判の傍聴をした人のエッセイを読んでいる。これがかなり面白い。表現が悪く、当事者が読んだら傷ついたりするだろう。そう思ったりした箇所もあったのだが、読み進めていると筆者がそんな失礼な人間ではないと感じた。傍聴をしている自分の立場を理解した上での表現。当然、権利はあるが、どこか申し訳ない気持ちも持ち合わせている。
この傍聴記録は多くの人生があることを感じさせてくれる。そしてこれら様々な裁判が他人事ではないことも感じる。僕も少しでも足を踏み違えれば、向こう側の人間になるだろう。そう思いながら裁判とそれにかかわる人々の人生を垣間見ている。