エキストラ参加二日目(最終日)

今日は体育館で行われたコンサートシーンの撮影でした。昨日は男子のエキストラばかりでしたが、今日は男子と女子が5:5ぐらいの割合で人数は昨日より少なかった。
昨日と同じで学生役を今日もするのかと思いきや、今日は一般男子役に割り当てられました。服装はデニムシャツにホワイトチノ、そしてデニムはもちろんパンツイン。我ながらダサい1970年代男性の出来上がりでした。体育館の一角に配置されてライブシーンの撮影が始まりました。ヤンキー役のメンバーには昨日学校までの道のりを一緒に行った方がおられました。その方は昨日「もっと目立つような役をやってみたい」と意欲を語っていたのでそれが実現した結果となったようです。おそらく映像にしっかり映ることになるでしょう。そこまでの意欲をもてるというのはすばらしいなと思いますし、エキストラにはそれぐらいの意思が必要なのかと考えさせられましたね。僕は不適格だったのかもしれません。映画に対する気持ちとかは高くても、それが演技をすることに直結できなければいけないのでしょう。ちなみに彼は特にこの映画に対する予備知識も映画そのものへの興味もあまりないようで田口トモロヲ知らなかったようです。昨日の会話ではカメラマンを監督と思っていたご様子。しかも今日はふと見るとセッティング中に体育館を歩きながら舞台を確認していた田口トモロヲに話しかけている一幕も。何を話していたかは知りませんが、彼はおそらくその方が監督であり、俳優・田口トモロヲであることをしらなかったでしょう。なんともムカついてしまいました。しかし田口トモロヲにしたら、こんな風に考えている僕よりエキストラを一所懸命している彼の方が必要な存在なんだということを後々考えてしまいましたね。。
ライブシーンでは主人公の演技をみることも出来たのですが、歌うシーンでは普通に魅了されてしまいました。だからこそどんな映像が出来るのかが楽しみで仕方ありません。
今回、撮影に参加してカット割りの多さを改めて実感しました。数分の映像の為に一日かける。そして違う角度から撮る為に同じ演技を何度もする必要性など、本当に映画を作るのって大変なんだなと思いました。その時は大変さしか頭と体になかったのですが、落ち着くとそのモノづくりが楽しそうだなという感情が自分にありました。苦手そうな人や辛いこともあることを知ったけれども、その出来上がるもの次第でそれが喜びに変わるのだろうなと思いました。
8時集合で終わったのは今日も7時半ごろ。一日中、同じポジションにいた方が朝からずっとしんどそうだったので心配していました。撮影が終わって、着替えに行く間に少し話したのですが、なんと中学3年生君でした。しかも約一週間エキストラとして参加されていたそうでとても大変だっただろうと思います。朝からすでに不調でスタッフの方に体の動きを説明されてもあまりその通りの動きができておらず、スタッフの方から頭をつかまれ「こうやって頭を動かして」と言われていた光景が僕の目に焼きつきました。映画の現場で真剣勝負だから仕方が無いかもしれないけれでも、彼の体調は良いとはいいがたいのはすぐに判別できたし、不満があるのは分かった。僕がスタッフの方への不満を一番抱いたのはこのシーンだった。スタッフの方に彼にそんなことをする権限があるのかと。彼が劇団員ならまだしも。彼は聞くとご両親の意向で参加されたとの事。やめずにずっと来ているから一概に彼の肩を持つのも間違っているとは思いますが、それでももう少し演技指導や演出の方法があるのではないかと思いました。
色々考えさせられた今回のエキストラ参加。本当に貴重な経験でした。ご褒美として今回の映画のTシャツをいただきました。これは映画公開と共に販売されるのでしょがうれしかった。もし非売品ならもっとうれしいのですがね。